大切なものを守ってくれる鍵の話

普段何気なく使っている鍵についての豆知識です - 鍵の歴史

大切なものを守ってくれる鍵の話

鍵の歴史

実は鍵には長い歴史があります。 世界で最古の鍵と言われているのがエジプト錠です。紀元前2000年頃にはすでに使われていたそうで壁画にも残されています。
また、このエジプト錠という木製の鍵が使われる以前は紐を複雑な結び目に結んで使っていたと言われています。

鍵はさまざまな象徴として使われていたことからも当時の生活と密接に結びついていたことがわかります。
例えば、中世の時代では城門の鍵が巨大な都市の象徴でした。その名残として現在でも姉妹都市の提携を結ぶときには鍵を交換します。

また、植民地時代のアメリカでは鍵は権力の象徴でした。
昔の鍵は太くて大きな形をしていましたが近代に入ると平らな鍵が使われるようになりました。鍵を複製する機械も生まれたため、広く浸透していき、現在では先進国ならごく当たり前に世界中で使われるようになっています。

日本の鍵の歴史は西暦650年頃からはじまります。野々上遺跡から発掘された海老錠が日本で一番古い鍵だとされています。
正倉院にも当時の中国から伝わってきた海老錠が収められています。

江戸時代の一般庶民は鍵を使っていませんでした。当時は治安がよく鍵をかける習慣はなかったからです。戸締まりは心張り棒を使っていました。
一部商人などの金持ちが蔵に鍵をかけていたそうです。しかしその錠前も手で簡単にあけられるようなものだったので防犯としての意味はあまりありませんでした。

戦国時代が終わって武器の需要が減ったために仕事のなくなった刀鍛冶や武器職人らが和錠とよばれる錠前を作るようになっていきました。